シリア問題からみえてくる、今後の日本の立場

昨日、シリア問題の記事を書きましたが、もう少しまとめてみます。

現状を要約すればこういうことになります。

  • 少なくともオバマはシリアを利用した戦争に負けた
  • ロシアはシリアの戦争でアレッポを陥落させ、事実上の勝利を得た
  • アラブ諸国はイデオロギーが錯綜し混沌を極めている
  • プーチンは欧州とアメリカを弱体化させるための周到な根回しをしていた
  • アラブ諸国からの移民によってEUの憎悪が噴出、イギリスはEUを離脱
  • トランプは親露姿勢を表明
  • 今後軍産複合体はどこへ向かうのか
  • 日本は米露に挟まれて難しい立場にある

わたしたちはふだん「アメリカの視点」のニュースを見てものごとを判断していますが、「ロシアの視点」に立てば、アラブ諸国を戦禍に巻き込んだ欧米と湾岸産油国の〈ゲーム〉を、これ以上長期化させずに収束させつつあるという見方もできます。

いずれにせよ、シリアの一件において今後ロシアが国際社会で台頭することは間違いないわけで、日本としてもロシアとの関係を早急に見直したいようです。

象徴的なのは日露首脳会談での安倍総理のこの言葉。

http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/statement/2016/1216kaiken.html

戦後71年を経てもなお、日本とロシアの間には平和条約がない。この異常な状態に私たちの世代で、私たちの手で終止符を打たなければならない。その強い決意を、私とウラジーミルは確認し、そのことを声明の中に明記しました。
領土問題について、私はこれまでの日本の立場の正しさを確信しています。ウラジーミルもロシアの立場の正しさを確信しているに違いないと思います。
しかし、互いにそれぞれの正義を何度主張し合っても、このままではこの問題を解決することはできません。次の世代の若者たちに日本とロシアの新たな時代を切り拓くため、共に努力を積み重ねなければなりません。

各方面に配慮した相当工夫された言い回しだと思いますが、注目すべきは、領土問題より何より、真っ先に日本とロシアの間に平和条約がないことを「異常な状態」と言ったことです。

プーチン大統領も「一番大事なのは平和条約の締結」と言ってますが、平和を約束することが最優先である、というのは、つまり「その必要性がある」ということですね。

また沖縄に対してのアメリカへの配慮、中国の脅威への対応も含めて、今の日本の立場はどんどん難しくなっており、世界の変化に合わせて、今後日本の自治のあり方も大きく変化するのではないかと思います。

以下の記事は、日本の難しい立場を示すものだと思います。

http://www.huffingtonpost.jp/2016/12/18/putin-dulles_n_13703530.html

■「ダレスの恫喝」とは?

1956年10月、鳩山一郎首相とソ連のブルガーニン首相はモスクワで「日ソ共同宣言」に署名した。この際、北方領土をめぐってソ連側は歯舞群島、色丹島の「二島返還」を主張したが、日本側は国後島と択捉島を含む「四島返還」での継続協議を要求して交渉が折り合わなかった。

そのため「共同宣言」では「ソ連は歯舞群島及び色丹島を日本国に引き渡すことに同意する。ただし、これらの諸島は平和条約が締結された後に現実に引き渡されるものとする」と明記されることになった。

当時、アメリカのダレス国務長官は重光葵外相に対し「二島返還を受諾した場合、アメリカが沖縄を返還しない」という圧力(いわゆる「ダレスの恫喝」)をかけていたと伝えられている。

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