今回の原油高は物価全般の上昇につながる? 減産合意の行方に疑問の声も

石油輸出国機構(OPEC)の減産合意によって原油高が起こっていますが、これは燃料のみならず、石油を利用した容器や、燃料を利用する商品すべての値上がりを意味しています。

今回の減産合意では、原油価格の上値は限定的とみられていますが、物価上昇には直結する見通しです。

ただし、すんなりと減産合意が行使されるのか、疑問を投げかける記事もありました。

メディア記事

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDJ21H2G_U6A221C1MM0000/

ガソリンは首都圏や関西の激戦区が昨年同時期に比べ1割近く高い。食品トレーや自動車部品に使う合成樹脂(プラスチック)もメーカー値上げが相次いでいる。節約志向が強い消費者に影響が広がりそうだ。


http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161221/k10010815081000.html

石油情報センターは、「産油国の減産合意に加え、アメリカの利上げ発表で円安が進んだことも原油の調達コストを上げる要因になっているため、来週以降もガソリンや灯油の値上がりは続くだろう」と話しています。


http://jp.reuters.com/article/us-cru-futures-idJPKBN14C29Q

米原油先物は23日の取引を1年5カ月ぶりの高値で終えた。クリスマス休暇を控え取引が薄くなるなか、市場は石油輸出国機構(OPEC)が減産合意をどのように実行に移すのか注視している。

減産合意の「死角」を指摘する声も

http://www.excite.co.jp/News/economy_g/20161222/zuuonline_132958.html

記事ではOPECが公表した減産の数字が合わないことを疑問視。

そのうえで、

それでなくとも、過去の減産合意の経験から各国の減産遵守には懐疑的な声が少なくない。非OPECが本当に協調するのかも不透明である。

懸念材料は色々とあるが、需給見通しで最も注意すべき点は、そもそも今回の減産合意では「1月からOPECの生産量が3250万バレルに制限される計算にはならない」ことだ。約120万バレルの減産を実施したとしても、OPECの生産量が需給均衡に向かう水準に達していない点を警戒しておくべきだろう。

と指摘しています。

またトランプ政権がサウジアラビアと関係を改善し、イランに対しては昨年7月の核合意を破棄し、新たな経済制裁を検討しているとし、そのうえで、

米国がイランへの経済制裁を再び強めるのであれば、サウジはイランと「減産」で合意する必要はないと考えても不思議ではない。

と述べ、減産が思惑通りにいかないことを示唆しています。

さらに原油の上値と下値については、

2017年の原油価格は40~60ドルのレンジを中心とした動きが予想され、ここがベースラインとなるが、上下どちらにもリスクがあり、注意が必要だ。

と指摘。

下方リスクはOPECが減産を遵守しないこととし、上方リスクは米国の対イラン政策によるとしています。


http://chartpark.com/wti.html

原油価格のチャートです。


http://manetatsu.com/2016/12/81391/

原油価格が上がると、生産過程におけるコストが上がります。燃料費が上がり、輸送コストが上がります。

ガソリン価格が上がることは、容易に想像できますね。暖房にも影響があるかもしれません。

日銀にとっては、物価目標を実現しやすくなります。黒田総裁にとっては、トランプ様様であり、OPEC様様なのでしょう。

インフレとは物価が上がることです。

私たち庶民にとっては、マーケットのことはともかく、原油価格が安く、円高で、デフレのほうが、生活がしやすいのでしょうけどね


世界は一枚岩ではないので、今回の減産合意が実際的な合意として機能しない可能性がある、ということには注意したいところですが、日本では原油価格の上昇、また鉄鋼業界が原料の石炭価格の高騰を理由に値上げをしていることなども含め、個人的には全体的な物価上昇が起こる可能性が高いと思っています。


http://www.yomiuri.co.jp/economy/20161212-OYT1T50012.html?from=ytop_main1

鉄鋼生産に使う石炭(原料炭)について、新日鉄住金と海外の資源大手が、2017年1~3月期の「長期契約」で輸入する価格を、16年10~12月期に比べて約50%引き上げる方向で最終調整していることが分かった。

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