安楽死に対する私見を述べる橋田壽賀子氏や筒井康隆氏 安楽死に対する世界の動きは?

このところ、安楽死というキーワードをよく見かけます。

死に対する選択肢として、安楽死を加えるべきではないかという問題提起で、個人レベルでこれを望む人は相当数いるはずですし、技術的には何の問題もなく遂行できるはずですが、実際問題として、保険であったり倫理的課題など、クリアしなければならないところが多いようです。

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メディア記事

安楽死提言の橋田壽賀子、その胸中と覚悟を明かす

http://www.news-postseven.com/archives/20161118_467348.html

「何才で背格好はこのくらいで、と。まぁよく流れてくる。私が住んでいるのは都会ではなく山の中。大勢で山狩りをしても見つからない、なんてことがままあります。この年になると、明日はわが身です。認知症が発症しない保証はどこにもない。自分がもし何の自覚もないまま多くの人に迷惑をかけてしまったら…。こんな恐ろしいことがありますか。親しい人の顔もわからず、生きがいもない状態で生きていたくはない。だからこそ、あえて提言したのです。“私がそうなったら、安らかに殺してください”と」

と橋田氏のインタビューを掲載。記事では、”安楽死への憧憬を語り、スイスの安楽死団体を自ら調べ、日本の法整備の必要性を説く彼女の言葉は、覚悟を伴って重い。”と述べ、橋田氏が調べた、安楽死の外国人受け入れをしているスイスの医療団体『ディグニタス』について説明。

 厳密にいえば、スイスで認められているのは医師による「自殺ほう助」であり、『ディグニタス』では、希望者が提出した医療記録を審査し、治癒の見込みがないと裁判所が認めた場合に限り、致死量の麻酔薬が処方される。医師が見守る中、患者が自らの意志で点滴パックの栓を開く。20秒後、眠るように死ぬという。

筒井康隆氏「日本でも早く安楽死法案通してもらいたい」

http://www.news-postseven.com/archives/20170201_480408.html

筒井氏はまず安楽死を実践するハードルの高さを指摘。

そもそも法的に認められていないことや、家族の問題、保険の問題などを挙げたうえで、老人の「死に方」について考えています。

先ほどの橋田氏同様、スイスでの安楽死についても述べており、

 安楽死を望んでスイスへ旅行する人が増えている。自国民に対して安楽死を認めている国や州はオランダ、ベルギー、アメリカのモンタナ州などたくさんあるが、スイスは唯一外国人への自殺幇助を医師に許している国だからである。勿論、処方された薬を自分で服むのだから自殺とも言えるが、これは誤って服用したという言い逃れもできる。しかし果たして日本の生命保険会社がこれを認めるかどうか。

と、外国での安楽死においても保険の問題があるとして、”こうなれば日本でも早く安楽死法案を通してもらうしかない”と指摘。

現状では延命治療を行わないことによる尊厳死の選択肢しかなく、”苦痛なしに死ぬというのは日本では至難の業”とまとめたうえで、

「せっかく生きて来たんだから、死の苦痛というものを味わわずに死ぬのは損だ」

と自分をなだめるしかない、と述べています。

安楽死を積極的に認めている国もあります

終の選択 穏やかな死を探して

http://www.asahi.com/apital/articles/SDI201511161593.html

①安楽死

・積極的安楽死、消極的安楽死、間接的安楽死といった分類がある

・単に安楽死という場合、医師などが致死薬を投与することにより、患者に死をもたらす「積極的安楽死」を指すことが多い

②医師による自殺幇助(ほうじょ)

・医師が故意に、患者が自殺するのを助けること

・致死薬の処方や提供などを指す

③尊厳死

・日本では、生命維持治療の不開始・中止の意味で使われる

そのうち、①の「積極的安楽死」を認めているのは”オランダ、ベルギー、ルクセンブルク”であると述べており、②の「医師による自殺幇助」が認められているのは、”オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、スイス、米国4州”としています。

記事では安楽死問題について具体的な事例を挙げながら解説したうえで、日本の現状について、

 日本には、これまで説明した、積極的安楽死、医師自殺幇助、事前指示に関する法律はありません。積極的安楽死については、1995年の横浜地方裁判所の判決で、許容要件が示されました。しかし、この要件をクリアして認められた積極的安楽死の事例はこれまでにありません。

としています。

オランダ政府、安楽死を「人生が終わったと感じている人」にも適用させる法案を提出

http://karapaia.com/archives/52226875.html

 オランダの与党は安楽死法に新しい条項を加えようとしている。もし可決されれば、回復の見込みがない末期症状の患者だけでなく、単に”人生が終わった”と感じている人や、”人生に疲れ果てた”と思っている人の自殺幇助が合法化される。安楽死の条件が緩和されるのだ。

ただし適用は高齢者のみとなる。

この記事は2016年10月のものですが、積極的安楽死を認めるオランダでは、高齢者に限って、世をはかなんでいる人の自殺幇助も合法化する動きが出ているようです。


オランダではかなり突っ込んだところまで安楽死を認めようという動きになっているようですが、現時点で日本がこの動きに追随するとは思えません。

しかし、日本の超高齢化社会において、安楽死の問題が今後必要性を伴いながら議論されるのは間違いないことで、これからの動きに注目しています。



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コメント

  1. らん より:

    安楽死には国民の7割が賛成している。私も病気で助かる見込みが薄い場合、家族に迷惑をかけることなく苦しむことなく、安らかに死にたい。笑顔で生きて笑顔で死にたい。

  2. 死は、生と同じように大切なもの より:

    死というのは悪いことでない。誰もが必ず迎えるのだから、前向きに「死の迎え方を選ぶ選択肢」があっていいと思う。

    寝たきりや痛み苦しみが増すしかなく、そして本人が死を望んでいても、ただただ死ぬまで生きろというのは冷酷すぎる。

    介護をした経験のある人は、本人が心から望む場合には「時として安楽死は救済になる」と感じるケースが多い。

    もちろんどんな状態でも本人が延命や自然死を望む場合は、命は法律により守られているのは当然のことである。