毎日新聞の報じた海外メディアの特派員から見た森友問題と、実際の欧米メディアの森友問題への切り込み方がまったく違う件

毎日新聞に”海外メディア在京4特派員「私はこう見る」”という見出しの記事がありました。

ニューヨークタイムズ紙、ロシア国営テレビ、中央日報、英フィナンシャル・タイムズの在京特派員がみた森友問題に対する見方を示しているのですが、自国のフィルタを通して日本をみているという点で、客観的に日本の状況を知ることができる記事になっています。

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海外メディア在京4特派員「私はこう見る」

http://mainichi.jp/articles/20170403/k00/00m/040/109000c

ニューヨークタイムズ紙は、森友問題を日本の右傾化と結び付けて考えているようです。

ロシア国営テレビは、あけすけに”安倍首相は保守団体・日本会議から支持されているとされ、そのメンバーだった籠池氏の思想には共鳴していると思う。”と述べました。

そのうえで、この問題は”日本的”であるとし、ロシアではわかりにくいと述べています。

中央日報では、韓国であれば”検察が大々的に動いている”と述べ、捜査を通じて真相を解明する傾向があると述べています。

また、韓国では安倍首相に対しては反感を持っているのと対照的に、昭恵夫人には好感を持つ国民が少なくないそうです。

英フィナンシャルタイムズでは、森友学園のような教育は”欧米ではあり得ない”とし、塚本幼稚園が外国で取り上げられることで、日本ではどこもこんなことをやっているのかと誤解される懸念について述べています。

また、安倍首相がはっきり声を出して、塚本幼稚園の教育内容が自分の考え方と合わないことを表明しない限り、外国人は塚本幼稚園の考え方に安倍首相が目指す教育だと考えるだとう、とまとめています。

わたしは、英フィナンシャルタイムズの考え方が、リベラル側の見解に近いのではないかと思いました。

それに対して、保守側の意見にいちばん近いのは、ロシアの考え方だと思います。

ロシアでは、教育勅語を推し進めるような時代錯誤については指摘したものの、総じて保守寄りの見解となっており、この件が大きな問題には発展しないという見方を示しています。

ちなみにこの見解は、わたしが以前記事にしたロシアの通信社スプートニクの見解とも相似しており、「なぜ保守派が、違法行為と目される行為を政治家や官僚がしているにも関わらず、それに賛同するのか」ということが理解できないリベラル側にとっては、逆に示唆的な考え方を示していると思います。

ニューヨークタイムズ紙の考え方は、日本の右傾化を懸念するというものなんですが、個人的にはちょっと取り上げ方が甘いと思いました。

問題としなければならないのは、菅野完氏が述べているように、カルトが保守に絡みついているという構造であり、また「安倍首相万歳」を幼稚園児に言わせるような、青少年に極右思想教育を施そうとするヒトラーユーゲント(安倍ユーゲント)です。

この保守の病的な暴走が日に日に強まっていき、それを諫められる勢力が存在しない状況に対して、ニューヨークタイムズ紙の特派員が”森友学園のような教育機関は日本にほとんどない”という相当甘い見解だったのには、少し驚いています。

中央日報に関しては、昭恵夫人擁護という非常に主観的な見方が示されており、このあたりは隣国特有の感情的な論調だと感じました。

昭恵夫人に好意を持つ韓国人が少なくないというのは、安倍首相がいわば、夫婦で右翼も左翼も取り込もうとするダブルスタンダードをとっていた、と考えるべきかと思います。

たとえば鳩山兄弟が兄弟で違うイデオロギーの側につくとか、石原兄弟や小泉兄弟の場合は政治とテレビメディアに兄弟で足をかける(国民に好感を持たせる)だとか、こういった戦略は日本では古来から行われています。

しかしこの特派員たちの視点も、日本の主流メディアである毎日新聞のフィルタがかかっている、という点には注意が必要です。

バズフィードが伝えるところによると、欧米のメディアは実際には森友問題に対してこんなやんわりとした指摘は行っていません。

「ナショナリスト」「極右」の学校に安倍首相が秘密裏に寄付を行った、という強い論調で書き立てており、さらには「日本会議」「帝国主義日本の価値観」といった、むしろ日本の主流メディアが報じないような突っ込んだキーワードも用いられているようです。

森友学園問題、海外メディアはどう伝えたか。ファックス文化へのツッコミも…

https://www.buzzfeed.com/sakimizoroki/una?utm_term=.hxkJJPba2#.ppm993LMz

英インディペンデントも「日本会議はナショナリストのロビー団体で、愛国心を鼓舞し、過去の大日本帝国を評価しようとしている」。安倍首相と籠池理事長は「日本会議のメンバー」と報じた。

英ファイナンシャル・タイムズは記事をこう締めくくっている。「安倍首相は(スキャンダルを)乗り越える可能性が高い」が、「この出来事は、国民に、首相と右派歴史修正主義者たちとのつながりを気付かせた」。

とりわけ最後の引用部分は大事なことだと思います。

安倍政権は森友問題を切り抜ける可能性が高い、というフィナンシャル・タイムズの見立ては、ロシアのスプートニクの論調とも同じです。

しかし日本人はこの一件において、自分の国が保守(ナショナリスト)の暴走に巻き込まれていることに気づきつつあります。

これは、菅野完氏の言うところの「脱カルト」であり、わたし個人的には、日本人がこれからどのように「脱カルト」していくのか、ということに注目しています。

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