食品廃棄を消費者のせいにしてはいけない

コンビニの恵方巻が大量に捨てられているということで、ニュースになっていました。

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メディア記事

「売れ残った恵方巻きが大量に捨てられている」…

http://mainichi.jp/articles/20160220/ddm/001/070/135000c

「売れ残った恵方(えほう)巻きが大量に捨てられている」。悲痛な声が節分の3日以降、インターネット上で問題になった。コンビニの店員らが、食べ物を粗末にする流通のあり方をおかしいと思い、写真付きで投稿した

宴会での完食を訴えるのは福岡市だ。「こんなに料理を残したまま、もう二次会か?」と、こわもてがにらみつけるポスターを作った。宴会の幹事に「終了の10分前になったら『席に戻って料理を食べよう』と声かけを」と呼びかけている

食品廃棄を由々しき問題としてとらえる見方は、調べれば数限りなくありますし、わたしたちのほとんどが、食品廃棄はいけないことだと認識しているのではないでしょうか。

ところが、実はわれわれは、店側が廃棄される食品ぶんをあらかじめ上乗せした料金で食べ物を購入しています。

つまり、廃棄分のお金も払っているということで、消費者が悪びれる必要はないわけです。

コンビニがスーパーより高いのは消費者のせい?大量廃棄される食品を減らすには

http://spotlight-media.jp/article/353704151192230137?utm_source=spotlight

――非効率に見えますが、企業にとってロスは得なのですか?

井出 損していますね。一番深刻な被害があるのはメーカーです。売れなかったものはメーカーに返品されますが、その廃棄コストも問題です。

今の加工食品はいろんな材質で包まれているものが多いです。ガム一つとってみても、プラスチックや銀紙などで幾重にも包装されています。それぞれを分けてリサイクルする義務があるので、手作業でバラバラにしているのです。

――…膨大なコストですね

井出 このコストは、私たち消費者が負担しています。捨てる費用があらかじめ商品価格に組み込まれているのです。

世界でみると、食料の1/3は廃棄されているそうで、これを非効率であると指摘する声はもっともです。

しかし、もったいないという視点でみるのは間違いだと思うし、消費者が廃棄をさせているというような考え方はいよいよお門違いで、その方向から問題を詰めても、おそらく事態は変わらないだろうと思います。

廃棄は必要である

ここでよく考えるべきなのが、世の中のあらゆる飲食店やコンビニの日配品が、確実に売り切れる量しか店頭に並べないようにしたら、どうなるでしょうか。

買い手の自由度が減って、後から来たお客さんは食べられるものの選択肢も減ったり、買えなかったりします。

飲食店はその日のぶんを売り切ったら営業終了。従業員の仕事がなくなります。

日配を運ぶドライバーは仕事が減ります。

お弁当やお惣菜を作る業者の仕事も減り、さらには農産物がそのぶん余ります。

これでは一次産業から消費者まで、誰も得をしません。

つまり、廃棄を含めて流通させないと、成り立たないようになっているのです。

たとえばあなたがお百姓さんだったとしましょう。

地元の直売所に生産した野菜を販売します。

100個の野菜を棚に並べると、日によってだいたい70個から90個、いいときには全部売れて、あとは引き取りになります。

引き取った野菜のたいはんは廃棄です。

包装資材や値札シールも廃棄ですから、廃棄にも多少のコストがかかっています。

それではここで、廃棄が出ないように野菜を毎日70個並べるのが、売り手として正解でしょうか?

70個しか並べなければ、日によって売れるはずのあと1~30個の野菜の儲けがなくなってしまいますよね。

それに、あなたの野菜が買ってくれるはずだったお客さんにも、野菜が供給できなくなってしまいますし、寂しい陳列棚をみて、直売所を訪れるお客さん自体も減ってしまうかもしれません。

あなたがすべきことは、廃棄にかかるお金を野菜の販売価格に上乗せして、そのうえで100個の野菜を販売することです。

そうすることで、消費者もお百姓さんも納得した取引ができます。

将来的には食品廃棄は減る

食品廃棄のコストを減らすことは利益(お金儲け)につながりますから、将来的に取り組みが加速するのは間違いありません。

しかしそれは、複雑な食品の流通のあり方がデータ化されて、徹底したロジスティクス(原材料調達から生産・販売に至るまでの物流を企業が合理化するための手段)で、無駄な食品廃棄を圧縮していくということですから、時間がかかります。

経済活動の一環として、データを活用しながら流通の過程で食品廃棄の圧縮に取り組むしか道はないのですが、食べ残しをするなとか、食べられる量だけ買えとか、消費者に食品廃棄の責任を押し付けるようなやり方で、道徳的な問題にすり替えるのは間違いです。

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