駐韓大使帰任へ 少女像の撤去のメドはたたず

慰安婦問題における慰安婦像を巡って、駐韓大使の一時帰国をとった日本ですが、「大統領選の日程と候補者が決まる時」に合わせる形で、駐韓大使の帰任が決まった、ということでニュースになっています。

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各紙の論調

韓国の新政権に合わせたこの対応に対し、産経新聞は、慰安婦像の問題に進展がなく、像撤去の見通しが立たないまま、菅官房長官が「わが国の日韓合意順守に向けての強い意志が韓国にも知れ渡った」と述べたことに対して、「チグハグな対応」と指摘。

日経新聞によると、政府関係者のコメントとして、「新政権が『反日』に傾く前に手を打つ必要があった」ということで、政治的駆け引きのギリギリのところでの決断、と強調していますが、像撤去の道筋がつかないままの帰任に対する中途半端さについても述べています。

また、韓国側も問題解決の道を模索していたことについても触れています。

 一方の韓国政府も打開策を探ってきた。2月のドイツ・ボンでは韓国側の要請を受け入れる形で日韓外相会談を開催。3月に入り、黄教安(ファン・ギョアン)大統領代行兼首相が、2015年に安倍首相と朴槿恵(パク・クネ)前大統領が合意した従軍慰安婦問題に関する日韓合意に関し「合意を実践していくべきだ」と発言した。

NHKニュースでは、慰安婦問題における日韓合意が次期政権に継承されるよう求めていく意向について記事にしています。

毎日新聞では、

 慰安婦問題を巡っては、朴前大統領時代の2015年12月の日韓合意で、日本政府が韓国側に10億円を拠出することなどによる「最終的かつ不可逆的な解決」を確認。韓国側が日本大使館前の少女像移転に「努力する」ことで一致している。

という日韓合意の基本的な説明もまじえて、北朝鮮ミサイル問題や、政権移行期を踏まえての帰任、日韓合意順守への働きかけについて述べています。

慰安婦像を巡っての対立は深まったまま

次期大統領の有力候補と見込まれる「共に民主党」の文在寅氏らは、日韓合意に批判的な立場をとっており、今回の3カ月に及ぶ駐韓大使の日本帰国は、実質的に日韓合意の齟齬に対して解決の道筋をたてることができていません。

今回の駐韓大使の帰国問題は、韓国側の反日姿勢を再確認し、日本側は従来とは違う強気の姿勢を示した、というパフォーマンス的な結果に終わったようです。

しかし見方を変えれば、北朝鮮ミサイル問題による米中首脳会談の行方に対する緊張感がそれだけ高まっているということであり、慰安婦像問題でこれ以上韓国とケンカを引き延ばしている場合ではない、という政府側の判断は個人的には妥当だと思います。

米中首脳会談で、米国が北朝鮮に対し具体的な行動(武力行使も含めて)を持ち出せば、極東の緊張感は一気に高まりますので、駐韓大使の帰任はそのあたりの情勢も見込んでの先手かと思われます。

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