Googleがネットインフラそのものになりつつあることで生じる問題

Gigazinに掲載されている「Googleが単なるサービスを超えてネットインフラの域に達することで直面する検索結果の不都合」という記事を読んだんですが、情報を検索するシステムがGoogle一本になってしまったことによる弊害がぼちぼち出てきているように思えます。

http://gigazine.net/news/20161213-google-not-just-platform/

データ科学者のキャシー・オニール氏は、Googleの立場を「共謀者」と述べています。Googleは今や単なる検索サービス提供企業と呼ぶには似つかわしくないほど支配的な地位を有しており、多くの人が調べものをするときに「とりあえずGoogle検索」というような行動をとっている現状に照らせば、Googleは単なるプラットフォームではなく社会の意思形成に深く関与する「インフラ」のようなものであり、Googleには事実にそぐわない検索結果を正すべき義務があり、これを野放しにしている以上、差別主義者の片棒を担ぐ共犯である、というわけです。

たとえば、わたしたちは今や、新聞各紙がそれぞれ違った政治思想や立場を持ち、その中で記事を書いていることを知っています。

読売には読売の主張が、朝日には朝日の、毎日、産経、日経、そしてスポーツ新聞に地方紙。

これらはすべて色があり、わたしたちが新聞で情報を得るときには、これらの思想からのバイアスを少なからず受けています。

逆に、わたしたちは自分の主義思想に合わせて、これらの新聞紙のどれを選ぶか、決める自由もあります。

日本の新聞紙が朝日だけになったら……身震いする人もいるんじゃないでしょうかw

しかしネットで情報を検索するときには、わたしたちはほぼGoogleのアルゴリズムに頼っています。

つまり、Googleのバイアスのかかった検索結果をみているわけで、他に選択肢がないんですね。

こういった問題を指摘していくことで、将来的に違ったバイアスのかかった検索システムが生まれるかもしれませんし、それぞれ色の違う検索システムをわたしたちが自分の主義思想に合わせて選択できる時代が訪れる可能性もある……かもしれません。

ところでネットインフラって何?

いわゆるインフラとは、「下支えするもの」「下部構造」という意味で、たとえば道路が整備されているとか、電気が各家庭に行き届く、下水処理がきちんとなされている、といったわたしたちの生活の基盤となる観念です。

ネットインフラの場合は、ふつうに考えれば通信事業者と契約してわたしたちがネットを楽しめる環境、ということになるんでしょうけど、これとは別のインフラもあります。

それは、インターネットを快適に楽しむための潤沢なコンテンツです。

インターネットができるといったって、ただネット回線がそこにあるだけなら、何の意味もありません。

コンテンツ事業者が提供するサービスを利用して、わたしたちはインターネットを楽しんでいます。

わたしたちがネットを楽しむときには、検索システムや動画サービスやチャットサービスなど、さまざまなコンテンツに下支えされているというわけです。

今回のGigazinで取り上げているネットインフラとは、コンテンツ事業としてのインフラのことで、Googleがネットを利用するときの「インフラそのもの」となりつつあることの問題を指摘している、というわけです。

ちなみに、過去には「ネットワークインフラただ乗り論争」なるものがあったようです。

通信事業者とコンテンツ事業者がお互いに、「うちのサービスにただ乗りして儲けやがって」とケンカしたというのですw

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%A9%E3%81%9F%E3%81%A0%E4%B9%97%E3%82%8A%E8%AB%96%E4%BA%89

双方の主張はおおよそ次のようなものであった。

  • 電気通信事業者の主張
    • 自社のインフラを使って商売をするなら、そのサービス事業者はそれ相応のコストを支払うべきである。
    • 通信業界では低価格競争が進んでおり、ユーザーにコストの負担をお願いできる状況ではない。
  • コンテンツ事業者の主張
    • かかるコストは受益者負担が原則である。
    • 通信インフラを高速道路に例えるなら、一定以上のスピードが出る車に対してメーカーに利用料を求めるようなもので受け入れがたい。
    • 高速通信インフラ上で高速通信を利用するサービスを制限するなら、何をするための高速通信インフラなのか?
    • FTTHを含むブロードバンドの普及を後押ししたのは我々やユーザーの提供するサービス・コンテンツであり、コンテンツただ乗りをしているのはむしろ通信事業者ではないのか。

ふつうに考えれば「利益が奪われている」と考えるより「共存共栄している」と考えるべきことなんですが、当時はこじれてたんですねw

今はこの論争はなあなあのまま終結しているようです。

Twitterでは

わたしはそのうち、Googleは仮想現実を牛耳って、現実で小さな島をひとつ丸ごと買い取って国家を主張するんじゃないかとさえ思っていますw

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